JR東日本、時速360km営業運転を目指す試験車両開発へ。

2004年2月、JR東日本は、最高時速360kmでの営業運転を目指して新幹線の高速試験車両を開発する方針を発表しました。

計画では、東北新幹線などのフル規格新幹線用と、秋田新幹線など新在直通運転を行うミニ新幹線用の2編成を開発し、高速走行時の安全性、騒音、乗り心地、環境性能などを検証することとしていました。

その後、フル規格新幹線用のE954形「FASTECH 360 S」と、新在直通用のE955形「FASTECH 360 Z」が製造され、2005年度から高速走行試験が行われました。「360」という名称は、当時目標としていた360km/hでの営業運転に由来しています。

試験の結果、360km/hでの営業運転そのものは実現せず、JR東日本は環境対策や費用対効果などを考慮して、当面の高速化は320km/hが妥当と判断しました。しかしFASTECH 360で開発された低騒音パンタグラフ、ロングノーズの先頭形状、車体傾斜装置、高速対応ブレーキなど多くの技術は、後のE5系・E6系新幹線へ引き継がれました。

E5系は2011年に東北新幹線「はやぶさ」として営業運転を開始し、2013年3月16日から最高320km/hでの営業運転を開始しました。E6系も同年に営業運転を開始し、新幹線区間では320km/hでの高速運転に対応しています。

2004年当時に掲げられた「360km/h」という目標はそのまま営業速度にはなりませんでしたが、そのために行われた技術開発は、現在の東北・秋田新幹線の高速運転へとつながりました。